クリニックの組織はいつ仕組み化すべき?|スタッフの増加で起きる「成長痛」とは

「スタッフが増えたのに、なぜか以前よりクリニックが回らなくなった」
「人を採用すれば院長の負担も減ると思っていたのに、むしろやることが増えている」
「以前は問題なくできていたのに、スタッフが増えてからトラブルが増えた」
クリニックの規模が大きくなる中で、このような悩みを感じる院長は少なくありません。
開業当初、スタッフが数名だった頃は、院長が直接スタッフと話し、業務を指示し、問題があればその場で判断することができます。
・ 誰が何をしているのか
・ 誰が困っているのか
・ 現場で何が起きているのか
院長自身が、ある程度すべてを把握することも難しくありません。
しかし、スタッフが増えるにつれて、これまでのやり方では少しずつ組織が回らなくなってきます。
「院長に確認しないと何も決まらない」
「スタッフによって言っていることが違う」
「情報共有がうまくいかない」
「頑張るスタッフにばかり仕事が集中している」
「リーダーを置いたけれど、うまく機能していない」
これは、スタッフの人数が増えたことで起きる、いわば組織の「成長痛」かもしれません。
クリニックが成長すれば、人事や組織の仕組みも同じように成長させていく必要があります。
本記事では、スタッフの増加によってクリニックにどのような変化が起こるのか、そして組織が大きくなるタイミングで見直したい「人事の仕組み」について解説します。
目次
1. スタッフが少ないうちは「院長中心」でも組織は回る
2. スタッフが増えると、クリニックに「成長痛」が起こる
3. 組織の成長に合わせて、人事の仕組みも成長させる
スタッフが少ないうちは「院長中心」でも組織は回る

スタッフが5人程度のクリニックであれば、院長が中心となって組織を動かすことは、それほど難しくありません。
・ 朝、スタッフに直接指示を出す
・ 気になることがあれば、その場で声をかける
・ 判断が必要なことがあれば、院長が決める
・ 新人が入れば、院長自身が教育に関わる
このような「院長中心」の組織は、決して悪いものではありません。
むしろ、少人数のうちは判断スピードが早く、スタッフとの距離も近いため、非常に効率的に機能することがあります。
しかし、ここで注意したいのは、スタッフが増えても、ずっと同じやり方を続けられるわけではないということです。
例えば、スタッフが5人から10人、さらに20人と増えていくと、院長一人がすべてのスタッフの状況を把握することは難しくなります。
・ 誰がどんな仕事をしているのか
・ 誰がどんなことに困っているのか
・ スタッフ同士の関係はどうなっているのか
・ 新人教育は順調に進んでいるのか
・ 現場でどんな問題が起きているのか
人数が増えるほど、院長から見えない情報も増えていきます。
それにもかかわらず、これまでと同じように、
「すべて院長が判断する」
「何かあれば院長に確認する」
「院長が直接スタッフに伝える」
という状態を続けていると、少しずつ組織に無理が生じてきます。
つまり、クリニックが成長したら、組織の動かし方も変える必要があるのです。
スタッフが増えると、クリニックに「成長痛」が起こる

スタッフが増えれば、人手不足が解消され、院長の負担も減る。
そう考えるのは自然なことです。
しかし実際には、スタッフが増えることで、新しい組織課題が生まれることがあります。
例えば、
「誰に確認すればいいかわからない」
「院長とリーダーで言っていることが違う」
「聞いていないというスタッフがいる」
「仕事を頼むと、いつも同じ人に集中する」
「新人教育を誰が担当するのか決まっていない」
「評価基準がなく、頑張っている人とそうでない人の差がわからない」
こうした問題は、スタッフ個人の能力だけが原因とは限りません。
多くの場合、人数が増えたにもかかわらず、組織の仕組みが少人数の頃のままになっていることが原因です。
例えば、5人の頃は、院長が全員に直接伝えれば情報共有ができました。
しかし、20人になれば、それだけでは伝わりません。
5人の頃は、誰がどんな仕事をしているか自然と把握できていました。
しかし、人数が増えれば、評価の基準や面談の仕組みが必要になります。
5人の頃は、院長が新人教育に関わることができました。
しかし、新人が増えれば、教育担当者や教育の仕組みが必要になります。
つまり、組織が大きくなると、「人が増えたから仕事が楽になる」のではなく、「人が増えたから仕組みが必要になる」のです。
このタイミングで必要な仕組みを整えられなければ、
・ 院長は以前より忙しくなる
・ リーダーは何をすればいいかわからない
・ スタッフは誰に相談すればいいかわからない
・ 頑張る人に仕事が集中する
そして、現場には少しずつ不満や混乱が生まれていきます。
これが、組織の成長に伴って起こる「成長痛」です。
組織の成長に合わせて、人事の仕組みも成長させる

クリニックの組織を仕組み化するために、最初からすべての制度を整える必要はありません。
大切なのは、今の組織の規模や課題に合わせて、必要な仕組みを少しずつつくっていくことです。
例えば、スタッフが増えてきたタイミングでは、次のような仕組みを見直してみる必要があります。
評価の仕組み
人数が増えると、「院長がなんとなく頑張りを見て評価する」ことが難しくなります。
・ 何を評価するのか
・ どのような行動を求めるのか
・ どのレベルを目指すのか
こうした基準を整理することで、スタッフ自身も「何を頑張ればいいのか」がわかるようになります。
情報共有の仕組み
院長から直接伝えるだけでは、情報が全員に正しく伝わらなくなります。
・ 誰が、誰に、何を伝えるのか
・ 会議で共有することは何か
・ チャットで共有することは何か
・ リーダーを通して伝えることは何か
情報共有にも、組織に合ったルールが必要になります。
リーダー・マネージャーの役割
スタッフが増えれば、院長一人ですべてを管理することは難しくなります。
そこで重要になるのが、リーダーやマネージャーの存在です。
しかし、単に役職を与えるだけでは機能しません。
リーダーには、
・ どこまで判断してよいのか
・ 何を院長に相談するのか
・ スタッフをどのように育成するのか
・ チームの課題をどのように把握するのか
といった役割や権限を明確にする必要があります。
新人教育の仕組み
スタッフが増え、新人採用が増えれば、教育を先輩スタッフの経験だけに任せることも難しくなります。
・ 教育内容
・ 教える順番
・ 到達目標
・ 教育担当者へのサポート。
こうした仕組みを整えることで、「誰が教えるか」によって教育の質が変わる状態を防ぐことができます。
1on1や面談の仕組み
人数が増えるほど、院長や管理職から見えないスタッフの状態も増えていきます。
だからこそ、定期的に話を聞く機会が必要です。
・ 仕事で困っていることはないか
・ 今、どんなことにやりがいを感じているか
・ 将来どんな仕事をしていきたいか
・ チーム内で気になることはないか
こうした情報を把握することで、問題が大きくなる前に対応できるようになります。
重要なのは、評価制度、教育、リーダー、1on1を、それぞれ別のものとして考えないことです。これらはすべて、「人が入社し、育ち、活躍し、長く働ける組織をつくる」ためにつながっています。
まとめ|組織が成長すれば、人事の仕組みも変える必要がある
クリニックが成長し、スタッフが増えることは、とても喜ばしいことです。
しかし、人数が増えれば、これまで自然にできていたことができなくなる場面も増えていきます。
・ 院長が全員を把握できなくなる
・ 情報が伝わりにくくなる
・ 判断が遅くなる
・ 仕事に偏りが出る
・ リーダーが必要になる
・ 新人教育が必要になる
・ 評価の基準が必要になる
これは、組織がうまくいかなくなったということではありません。
組織が次のステージに進んだサインでもあります。
5人の組織には、5人の組織に合った仕組みがあります。
10人になれば、10人に合った仕組みが必要になります。
20人になれば、さらに違った組織の動かし方が必要になります。
大切なのは、問題が起きてから慌てて制度をつくることではありません。
「最近、院長の判断待ちが増えてきた」
「スタッフ同士の情報共有がうまくいかない」
「リーダーに任せたいけれど、何を任せればいいかわからない」
「スタッフが増えたのに、なぜか院長の仕事が減らない」
こうした変化を感じたときこそ、組織の仕組みを見直すタイミングです。
クリニックの成長に合わせて、人事の仕組みも成長させていく。
それが、院長一人に負担が集中せず、スタッフ一人ひとりが役割を持ちながら、自律して働ける組織づくりにつながります。
Liberate Beautyでは、美容クリニックの組織規模や課題に合わせて、人事評価制度、新人教育、リーダー育成、1on1、役割設計など、組織の成長に必要な人事の仕組みづくりを支援しています。
「スタッフが増えたのに、以前より組織が回らなくなった」
「院長がすべてを判断する状態から抜け出せない」
「これから組織を大きくしていきたいけれど、今の体制で大丈夫か不安」
そんな場合は、一度、現在の組織の規模と人事の仕組みが合っているかを整理してみてはいかがでしょうか。
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