「私がやったほうが早い」が、組織を弱くする|仕事を抱え込むリーダーが見落としていること

「これ、自分でやったほうが早い」
院長や主任、リーダー、マネージャーとして働いていると、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。
スタッフに説明するより、自分でやったほうが早い。
任せても確認や修正が必要になる。
新人に教える時間があれば、自分で終わらせたほうが効率がいい。
スタッフ同士の問題も、自分が間に入ればすぐ解決する。
実際、その場だけを見れば「自分がやったほうが早い」という判断は間違っていないこともあります。
特に、仕事ができる人ほど、周囲より早く正確に仕事を進めることができます。
しかし、この状態が続くと、少しずつ組織に問題が起こります。
・ できる人に仕事が集中する
・ 周囲は経験する機会を失う
・ 「結局、あの人に聞けばいい」という状態になる
そして、仕事を抱え込んでいる本人は、さらに忙しくなっていきます。
・ できる人ほど仕事を抱え込む
・ 抱え込むから周囲が育たない
・ 周囲が育たないから、さらに自分がやる
この悪循環が続けば、本人だけではなく、組織そのものが弱くなってしまいます。
リーダーの仕事は、自分が一番たくさん仕事をすることではありません。
自分がいなくても、チームが仕事を進められる状態をつくることです。
本記事では、「私がやったほうが早い」という考え方がなぜ仕事の抱え込みにつながるのか、そしてリーダーが仕事を抱え込まず、周囲を育てながら組織を強くするための考え方について解説します。
目次
1. 「私がやったほうが早い」が、仕事の抱え込みを生む
2. 抱え込むほど、周囲は育たなくなる
3. リーダーの仕事は「自分がいなくても回る状態」をつくること
「私がやったほうが早い」が、仕事の抱え込みを生む

仕事ができる人ほど、「自分でやったほうが早い」と感じる場面は多くあります。
例えば院長であれば、
「スタッフに判断を任せるより、自分で決めたほうが早い」
「説明するより、自分で対応したほうが確実」
主任やリーダーであれば、
「新人に教えるより、自分でやったほうが早い」
「スタッフに任せると、結局確認が必要になる」
マネージャーであれば、
「スタッフ同士の問題は、自分が解決したほうが早い」
「細かいことまで自分で把握していたほうが安心」
こうして、少しずつ仕事が一人に集まっていきます。
もちろん、すべてを任せればいいということではありません。
経験や判断が必要な仕事もありますし、リーダー自身が対応したほうがよい場面もあります。
問題なのは、「自分にしかできない仕事」と「本当は任せられる仕事」が整理されていないことです。
本来であればスタッフに任せられる仕事まで抱え込んでしまうと、リーダー自身の仕事は増え続けます。
そして周囲からは、
「これは○○さんに聞かないとわからない」
「○○さんがいないと決められない」
「○○さんにお願いすればやってくれる」
という状態が生まれます。
最初は「自分がしっかり支えられている」と感じるかもしれません。
しかし、実際には仕事や判断が一人に集中する、属人化した組織になっている可能性があります。
抱え込むほど、周囲は育たなくなる

「なかなかスタッフが育たない」
「いつまで経っても自分で考えて動けない」
「結局、自分が確認しなければならない」
こうした悩みを持つリーダーは少なくありません。
しかし、その原因の一つが、リーダー自身の「抱え込み」にあることもあります。
例えば、新人スタッフが何か仕事をしようとしたとき、
「それは私がやるから大丈夫」
「まだ難しいから任せなくていい」
「時間がないから、今回は私がやる」
と、リーダーが代わりに対応する。
もちろん、忙しい現場では必要な判断です。
しかし、それが繰り返されると、スタッフは仕事を経験する機会を失ってしまいます。
経験しなければ、できるようになりません。
判断する機会がなければ、判断力も育ちません。
失敗することが許されなければ、自分で考えて行動することも難しくなります。
そして、
リーダーがやる
↓
スタッフが経験できない
↓
スタッフができるようにならない
↓
やっぱり自分がやったほうが早い
というループが生まれます。
この状態では、リーダーはますます忙しくなり、スタッフはいつまでも「教えてもらう側」から抜け出せません。
さらに問題なのは、できる人ほど仕事が集中しやすいことです。
「あの人に頼めば間違いない」
「あの人なら早い」
「あの人が一番わかっている」
そうして仕事を集め続けた結果、優秀なスタッフほど疲弊してしまいます。
そして、もしその人が退職したらどうなるでしょうか。
・ 「あの人しかわからない仕事」が残る
・ 引き継ぎが進まない
・ 周囲が対応できない
・ 組織全体が混乱する
仕事を抱え込むことは、一見すると組織を支えているように見えます。
しかし長期的には、一人が頑張り続けなければ成り立たない組織をつくってしまうのです。
リーダーの仕事は「自分がいなくても回る状態」をつくること

では、仕事を抱え込まないためには、どうすればよいのでしょうか。
大切なのは、「任せること=仕事を丸投げすること」ではないと理解することです。
スタッフに仕事を任せるためには、任せる側にも準備が必要です。
例えば、
・ 何を任せるのか
・ どこまで自分で判断してよいのか
・ 困ったときは誰に相談するのか
・ どのような状態になれば完了なのか
こうした基準を明確にすることです。
「これをお願いします」と仕事だけ渡しても、判断基準やゴールがわからなければ、スタッフは動けません。
そして、任せた後も「完全に放置する」のではなく、適切なタイミングで確認し、フィードバックを行います。
最初は時間がかかるかもしれません。
説明する時間。
確認する時間。
質問に答える時間。
自分でやれば10分で終わる仕事に、30分かかることもあるでしょう。
しかし、その時間は単なる「非効率」ではありません。
スタッフを育て、次回から任せられる仕事を増やすための投資です。
また、リーダー自身も、自分の仕事を整理する必要があります。
「自分にしかできない仕事は何か」
「本当はスタッフに任せられる仕事は何か」
「今後、誰かに引き継ぐべき仕事は何か」
こうした視点で業務を見直すことで、少しずつ仕事をチームに分散させることができます。
そして重要なのは、スタッフが成長したら、少しずつ任せる範囲を広げていくことです。
最初からすべてを任せる必要はありません。
小さな仕事を任せる。
できるようになったら、次の仕事を任せる。
判断できる範囲を少しずつ広げる。
この積み重ねによって、スタッフは「指示を待つ人」から、「自分で考えて動ける人」へと成長していきます。
リーダーに求められるのは、自分一人が優秀であることだけではありません。
周囲が仕事をできる状態をつくること。
それこそが、チームをまとめるリーダーの重要な役割です。
まとめ|「自分がやる」から「チームでできる」へ
「私がやったほうが早い」
この言葉自体が悪いわけではありません。
実際に、自分でやったほうが早い場面もあります。
しかし、その考え方がすべての仕事に広がってしまうと、仕事は一人に集中し、周囲が育たなくなります。
そして、
・ できる人が抱え込む
・ 周囲が育たない
・ さらにできる人に仕事が集まる
・ 本人が疲弊する
という悪循環が生まれます。
組織を強くするために必要なのは、一人の優秀な人が頑張り続けることではありません。
一人ひとりが役割を持ち、それぞれができることを増やしていくことです。
そのためには、
・ 任せる仕事を整理する
・ 判断基準を共有する
・ 失敗から学べる環境をつくる
・ 適切に確認とフィードバックを行う
・ スタッフの成長に合わせて任せる範囲を広げる
といった仕組みが必要になります。
リーダーの仕事は、自分がチームの中で一番多く仕事をすることではありません。
自分がいなくても、チームが仕事を進められる状態をつくること。
「自分がやる」から、「チームでできる」へ。
この視点に変わることで、リーダー自身の負担を減らすだけではなく、スタッフの成長と組織全体の力につながっていきます。
Liberate Beautyでは、美容クリニックの現場経験をもとに、リーダー・主任・マネージャーが抱える課題に合わせたリーダー研修やマネジメント支援を行っています。
「仕事がいつも同じ人に集中している」
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「スタッフに任せたいけれど、なかなか育たない」
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そんな課題を感じている場合は、一度、現在の役割分担や仕事の進め方を整理してみてはいかがでしょうか。
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