スタッフの不満、全部解決しようとしていませんか?|「聞くこと」と「応えること」は別

「最近、人が足りないです」
「もう少し給与を上げてほしいです」
「もっと休みがほしいです」
スタッフからこうした不満や要望を聞いたとき、院長や経営者、リーダーはどのように対応しているでしょうか。
「何とかしてあげなければ」
「不満を解消しないと辞めてしまうかもしれない」
そう考えて、できる限りスタッフの要望に応えようとしている方も多いかもしれません。
もちろん、スタッフの声を聞くことは大切です。
しかし、すべての不満を解決しようとすると、今度は経営側や管理職が疲弊してしまいます。
給与を上げてほしいと言われれば給与を上げる。
休みを増やしてほしいと言われれば休みを増やす。
人間関係の相談があれば、すべて間に入って解決しようとする。
しかし、本当に必要なのは、スタッフから出てきたすべての要望をそのまま受け入れることではありません。
大切なのは、「なぜ、その不満が出ているのか」を理解すること。
そして、できることと、できないことを整理した上で、組織として対応すること。
「話を聞くこと」と「すべての要求に応えること」は、同じではありません。
本記事では、スタッフの不満や要望とどのように向き合うべきか、そして1on1などの対話を組織づくりに活かすための考え方について解説します。
目次
1. スタッフの不満を、全部解決しようとしなくていい
2. 「不満」の言葉だけで判断せず、その背景を聞く
3. 聞いた後に大切なのは、組織としてきちんと応えること
スタッフの不満を、全部解決しようとしなくていい

スタッフから不満や要望を聞いたとき、「何とかしなければ」と考えること自体は悪いことではありません。
しかし、スタッフの声をすべてそのまま受け入れることが、必ずしも良い組織づくりにつながるとは限りません。
例えば、「給与を上げてほしい」と言われたからといって、すぐに給与を上げられるとは限りません。
「もっと休みがほしい」という要望も、患者数や人員配置によっては、すぐに実現することが難しい場合もあります。
また、「○○さんと合わないから、一緒に働きたくない」という相談に対しても、必ずしも配置を変えることが正解とは限りません。
重要なのは、スタッフの意見を聞くことと、その要望をすべて受け入れることは別だということです。
「聞いてもらえた」ということ自体が、スタッフにとって大きな意味を持つこともあります。
反対に、
「そんなの無理」
「みんな我慢している」
「嫌なら辞めればいい」
と、話を聞かずに終わらせてしまうと、スタッフは次第に相談しなくなります。
不満をすべて解決する必要はありません。
しかし、不満を話しても無駄だと思わせないことは重要です。
「不満」の言葉だけで判断せず、その背景を聞く

スタッフから出てくる不満は、必ずしもその言葉どおりの問題とは限りません。
例えば、「人が足りないです」という言葉。
本当に人員が不足している場合もありますが、実際には、
・ 業務の分担が偏っている
・ 一部のスタッフに仕事が集中している
・ 新人教育に時間がかかっている
・ 業務効率が悪い
といった問題が隠れているかもしれません。
「給与を上げてほしい」という声も、単純に給与額への不満だけではなく、
「仕事量に対して評価されていない」
「頑張っても給与が変わらない」
「自分の成長を見てもらえていない」
という気持ちが背景にあることもあります。
だからこそ、スタッフの話を聞くときは、「どうすれば解決できるか」をすぐに考える前に、「なぜ、そのように感じているのか」を聞くことが重要です。
例えば、
「最近、人が足りないと感じるのは、どんなときですか?」
「給与について、特にどの部分に不満を感じていますか?」
「○○さんとの間で、具体的にどんなことがありましたか?」
と、少し掘り下げて聞いてみる。
ここで重要なのは、すぐに反論したり、正解を伝えたりしないことです。
スタッフの話を聞いているつもりでも、
「でも、それは仕方ないよ」
「他の人も大変だから」
「そんなこと言っていたら仕事にならない」
とすぐに返してしまうと、そこで対話は終わってしまいます。
1on1でも同じです。
スタッフに、「何か困っていることはありますか?」と聞くだけでは、「特にありません」で終わってしまうこともあります。
だからこそ、
「最近、仕事をしていて少しモヤモヤしたことはありましたか?」
「もっとこうだったら働きやすいのに、と思うことはありますか?」
と、話しやすい聞き方をすることも大切です。
不満を解決する前に、まず背景を理解する。
これが、スタッフとの対話の第一歩です。
聞いた後に大切なのは、組織としてきちんと応えること

スタッフの話を聞いた後、「検討しておきます」で終わってしまうことも少なくありません。
しかし、何度も話を聞くだけで何も変わらなければ、スタッフは、「言っても意味がない」と思うようになります。
ここで大切なのは、すべての要望を実現することではありません。
聞いた内容に対して、組織としてどう考え、どう対応するのかを伝えることです。
例えば、「人が足りない」という声に対して、「すぐに採用は難しいですが、業務の分担について一度見直します」と伝える。
「給与を上げてほしい」という声に対して、「すぐに変更することは難しいですが、評価や昇給の基準について整理します」と伝える。
「もっと休みがほしい」という要望に対しても、「現状では難しいですが、シフトの組み方について改善できる部分がないか確認します」と伝えることはできます。
もちろん、「今回は対応できません」という結論になることもあります。
それでも、
なぜ対応できないのか。
組織としてどう考えているのか。
を伝えることは大切です。
スタッフが求めているのは、必ずしも「自分の意見をすべて通してほしい」ということだけではありません。
「自分の話をちゃんと聞いてもらえた」
「意見について考えてもらえた」
「なぜできないのか説明してもらえた」
と感じることも、組織への信頼につながります。
そして、1on1などで出てきた意見を、
・ 教育
・ 業務改善
・ 評価
・ 人員配置
・ マネジメント
・ 職場環境
などの改善につなげていく。
この積み重ねによって、「言っても無駄」な組織から、「話せば何かが変わる」組織へと変わっていきます。
まとめ|「聞くこと」と「すべてに応えること」は違う
スタッフから不満や要望を聞くと、「何とかしてあげなければ」と考えてしまう院長や経営者、リーダーは少なくありません。
しかし、すべての要望を受け入れることが、良い組織づくりにつながるとは限りません。
大切なのは、話を聞くこと。
そして、その背景を理解すること。
さらに、組織としてどう対応するのかをきちんと伝えることです。
「聞く」ことと「応える」ことは別です。
スタッフの要望をすべて実現する必要はありません。
しかし、話を聞かずに終わらせたり、聞くだけで何も返さなかったりすると、スタッフは次第に組織に対して意見を言わなくなります。
そして、「どうせ言っても変わらない」と思うようになったとき、スタッフは相談することをやめます。
だからこそ、1on1や日常的な対話では、スタッフの声を聞くだけではなく、「この意見について、組織としてこう考えています」と返すことが重要です。
すべての不満を解決する必要はありません。
しかし、スタッフの声と向き合い、組織として考え、必要なことを改善していく。
その姿勢そのものが、スタッフとの信頼関係をつくっていきます。
Liberate Beautyでは、美容クリニックの現場経験をもとに、1on1やスタッフヒアリングを通じた組織課題の整理から、人事評価、新人教育、リーダー育成、業務改善など、スタッフの声を組織づくりにつなげるための仕組みづくりを支援しています。
「スタッフからの不満に、どう対応すればいいかわからない」
「意見を聞いているつもりなのに、スタッフの不満が減らない」
「スタッフの声を組織改善につなげたい」
そんな場合は、一度、「何を解決するか」だけではなく、「なぜその不満が出ているのか」に目を向けてみてはいかがでしょうか。
公式 Instagram:https://www.instagram.com/liberate___beauty/
<お問い合わせ先>
株式会社Liberate Beauty
ホームページ:https://liberatebeauty.co.jp/