人手不足の解決策は「採用」だけじゃない|スタッフが辞めない組織づくりという選択

「求人を出しても、なかなか応募が来ない」
「採用しても、すぐに辞めてしまう」
「人手不足だから採用したいのに、採用するほど現場が忙しくなる」
美容クリニックでは、こうした「採用」に関する悩みが年々増えています。
人が足りなければ、まず採用する。
これは当然のことのように思えます。
しかし、採用活動だけを繰り返しても、なかなか人手不足が解消されないクリニックがあります。
例えば、
人が足りない → 新しくスタッフを採用する → 新人教育に時間がかかる → 既存スタッフの負担が増える → 既存スタッフが疲弊する → 退職者が出る → さらに人が足りなくなる → また採用する
このような状態です。
採用しているのに、いつまで経っても人手不足が解消されない。
これは「採用力」の問題だけではなく、組織の定着力に問題がある可能性があります。
人手不足を解決するために必要なのは、新しく人を採用することだけではありません。
「今いるスタッフが辞めない環境をつくること」も、採用戦略の一部です。
本記事では、美容クリニックの採用難を「採用活動」だけの問題として捉えるのではなく、採用・育成・定着を一つの流れとして考えるためのポイントを解説します。
目次
1. 採用しても人手不足が解消されない「採用のいたちごっこ」
2. 「採用」と「定着」は、別々の問題ではない
3. 人手不足を解消するために、まず「今いる人」を見る
採用しても人手不足が解消されない「採用のいたちごっこ」

「人が足りないから採用する」という考え方自体は、間違っていません。
問題は、採用した後の組織の状態が変わっていないことです。
例えば、慢性的に人手不足のクリニックで、新しく2名のスタッフを採用したとします。
採用できたことで、一時的には人手不足が解消されたように見えます。
しかし、新人が入れば教育が必要です。
・ 業務の説明をする
・ 患者対応を見てもらう
・ マニュアルを確認する
・ 質問に答える
・ 仕事の進捗を確認する
これらはすべて、既存スタッフが担うことになります。
もともと忙しい現場であれば、そこに新人教育が加わることで、既存スタッフの負担はさらに増えてしまいます。
そして、
「新人教育に時間を取られて自分の仕事が終わらない」
「新人がまだ一人で動けない」
「教育担当者ばかり負担が増えている」
という状態が続けば、今度は既存スタッフの疲弊につながります。
最悪の場合、せっかく採用した新人ではなく、長く働いていたスタッフが退職してしまうこともあります。
すると再び人手不足になり、また求人を出す。
これが、いわゆる「採用のいたちごっこ」です。
もちろん、採用人数を増やすことが必要なケースもあります。
しかし、採用と退職を繰り返しているのであれば、見るべきなのは「何人採用できたか」だけではありません。
「なぜ今いるスタッフが辞めてしまうのか」
「なぜ新人が定着しないのか」
「なぜ教育する側が疲弊してしまうのか」
ここまで掘り下げる必要があります。
採用を増やす前に、組織の中で人が辞め続ける原因を見直す。
それが、採用難を解決するための最初の一歩になることがあります。
「採用」と「定着」は、別々の問題ではない

採用と離職は、別々の人事課題として考えられがちです。
「採用担当は求人を頑張る」
「現場は新人教育を頑張る」
「退職者が出たら、また求人を出す
しかし、本来はすべてつながっています。
例えば、採用したスタッフが早期に退職してしまうのであれば、採用時の期待値と入社後の実態にズレがなかったか。
新人がなかなか育たないのであれば、教育の仕組みや教育担当者へのサポートが整っているか。
既存スタッフの退職が続くのであれば、業務負担や評価、キャリア、上司との関係に問題がないか。
というように、それぞれの問題を一つずつ確認していく必要があります。
特に重要なのが、「採用して終わり」にしないことです。
採用活動で伝えたクリニックの魅力が、入社後も実際に感じられるか。
入社前に説明された仕事内容と、実際の業務に大きなギャップがないか。
新人が「ここで働いていけそう」と思えるサポートがあるか。
そして、3ヶ月、半年、1年と働く中で、
「成長できている」
「頑張りを見てもらえている」
「評価されている」
「これからもここで働きたい」
と思える環境があるか。
ここまで整って初めて、採用した人材が組織の戦力として定着していきます。
つまり、採用力を高めることと、定着率を高めることは、別々の施策ではありません。
採用した人が長く働ける組織をつくること自体が、採用難への対策になるのです。
人手不足を解消するために、まず「今いる人」を見る

採用難に直面すると、どうしても「次に誰を採用するか」に目が向きます。
もちろん、採用活動は必要です。
しかし、その前に一度、今いるスタッフに目を向けてみることも大切です。
例えば、
・ 最近、退職者が続いていないか
・ 新人の定着率はどうか
・ 教育担当者に負担が集中していないか
・ スタッフが「頑張っても評価されない」と感じていないか
・ キャリアの先が見えなくなっていないか
・ 院長や上司に相談できる環境があるか
・ 1on1や面談が形だけになっていないか
・ スタッフ間の情報共有がうまくいっているか
こうした項目を見直してみることです。
そして、ここで重要なのは、「辞めてから対策する」のでは遅いということです。
「最近、スタッフから相談されることが減った」
「以前より会話が少なくなった」
「1on1で『特にありません』と答えることが増えた」
「新人教育を任せられる人がいなくなってきた」
こうした小さな変化は、組織からのサインかもしれません。
スタッフが辞める前に、その状態を把握する。
そして、必要であれば、
・ 評価制度を見直す
・ キャリアパスをつくる
・ 1on1を機能させる
・ 新人教育を仕組み化する
・ リーダーを育成する。
こうした人事施策につなげていきます。
人手不足だから採用する。
その一方で、今いるスタッフが働き続けられる環境を整える。
この両輪があってこそ、採用活動は本当の意味で成果につながります。
「採用人数を増やす」だけではなく、「退職する人数を減らす」
この視点を持つことが、これからの美容クリニックの採用戦略には欠かせません。
まとめ|人手不足の解決策は「採用を増やすこと」だけではない
美容クリニックの採用難を解決するために、求人を出し続けることはもちろん必要です。
しかし、採用しても人が辞める状態が続いているのであれば、採用活動だけでは根本的な解決になりません。
採用する。
育てる。
定着する。
この一連の流れを、クリニックの人事として考える必要があります。
特に大切なのは、「人が足りないから採用する」という発想だけでなく、「今いる人が辞めない環境をつくる」という視点を持つことです。
・ スタッフが成長できる
・ 頑張りを見てもらえる
・ 正しく評価される
・ 将来のキャリアが見える
・ 困ったときに相談できる
・ 自分の仕事がクリニックの役に立っていると感じられる
こうした環境が整えば、スタッフの定着につながり、結果として採用にかかる負担やコストを抑えることにもつながります。
採用難を「採用担当者だけの問題」にしない。
採用・育成・評価・定着を一つの人事機能として考える。
それが、人が集まり、育ち、長く働けるクリニックをつくるために重要な考え方です。
Liberate Beautyでは、美容クリニックの現場経験をもとに、採用だけでなく、入社後のオンボーディング、新人教育、人事評価、1on1、キャリア設計、リーダー育成など、「採用してから定着するまで」の組織づくりを支援しています
「採用しても、また辞めてしまう」
「求人を出し続けているのに、人手不足が解消されない」
「採用と離職のいたちごっこから抜け出したい」
そんな場合は、一度「採用」だけではなく、組織全体の人事機能を見直してみてはいかがでしょうか。
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