美容クリニックの採用で見るべきポイント|面接で「感じがいい人」だけを選ばないために

「感じがいい人だったので、採用しました」

美容クリニックの採用では、面接後にこんな判断をすることがあります。

「明るくハキハキしている」
「笑顔が素敵」
「美容が好き」
「受け答えがしっかりしている」
「やる気がありそう」

もちろん、こうした印象は大切です。
患者様と直接接する機会の多い美容クリニックでは、第一印象やコミュニケーション力も重要な要素です。

ただ、「感じがいい人」と「自院で活躍できる人」は、必ずしも同じではありません。
面接では好印象だったのに、入社してみると、
「思っていたより受け身だった」
「指示がないと動けなかった」
「チームで働くことが苦手だった」
「仕事内容とのギャップが大きかった」
ということもあります。

では、美容クリニックの採用では、どんなポイントを見ればいいのでしょうか。
今回は、面接での印象だけに頼らず、入社後の働き方までイメージするために、採用する側が見ておきたいポイントについて考えてみます。

目次

1. 「感じがいい人」だけでは、採用のミスマッチが起きる理由
2. 面接では「何を言ったか」より「どう考えているか」を見る
3. 採用基準を「自院で活躍できる人」の言葉に変える

「感じがいい人」だけでは、採用のミスマッチが起きる理由

美容クリニックの面接では、どうしても「印象」が評価に入りやすくなります。
患者様への接遇を考えれば、笑顔や挨拶、話し方などはもちろん大切です。

実際に面接をしていると、
「この人、感じがいいな」
「患者様にも好印象を持ってもらえそうだな」
と感じることはあるでしょう。
それ自体は、決して悪いことではありません。

問題なのは、そこから一気に、
「感じがいいから、採用しよう」
となってしまうことです。

例えば、「ハキハキ話せる人」。
コミュニケーションが得意そうに見えても、実際には自分が話すことは得意だけれど、人の話を聞くことは苦手かもしれません。
「美容が好き」という人も同じです。
美容への興味があることは、美容クリニックで働くうえでプラスになるでしょう。
でも、美容が好きだからといって、クリニックでの仕事そのものが合うとは限りません。
「頑張りたいです」と意欲を見せてくれる人もいます。
ただ、「頑張りたい」と言えることと、実際に自分で考えて行動できることは別の話です。

このように、面接で感じる「好印象」と、入社後の「仕事ぶり」は、分けて考える必要があります。

採用で見るべきなのは「印象」だけではない
採用の場で確認したいのは、その人がどんな印象の人なのかだけではありません。
実際に仕事をするとき、どんな考え方をして、どんな行動を取る人なのか。
ここまでイメージすることが大切です。

例えば、
「明るい人」ではなく、
「患者様が不安そうなとき、自分から声をかけられる人なのか」
「協調性がある人」ではなく、
「忙しいスタッフがいたとき、自分にできることを考えられる人なのか」
「主体性がある人」ではなく、
「指示されていないことでも、状況を見て必要な行動を起こせる人なのか」
というように、抽象的な印象を具体的な行動に置き換えてみます。
そうすると、面接で確認したいポイントが少しずつ見えてきます。

面接では「何を言ったか」より「どう考えているか」を見る

では、実際の面接では、どんなポイントを確認すればいいのでしょうか。
ここで大切なのは、質問に対して「正解」を言えるかどうかだけを見るのではなく、その人がどのように考え、実際にどう行動してきたのかを知ることです。

「なぜ転職したいのか?」から考え方を見る
例えば、転職理由。
「前の職場では人間関係が合わなくて……」
「もっと成長できる環境で働きたくて……」
こうした回答だけで判断するのではなく、
「具体的にはどんなことがありましたか?」
「そのとき、ご自身はどう対応しましたか?」
「次の職場では、どんな働き方をしたいですか?」
と掘り下げてみます。

ここで見たいのは、「前職の悪口を言わない人」かどうかではありません。
職場で起きた出来事を、本人がどう捉えているのか。
そして、その経験を次の仕事にどうつなげようとしているのか。
そこには、その人の仕事に対する考え方が表れます。

「仕事で大変だったことは?」から行動を見る
もう一つ、面接で聞きやすいのが、
「これまで仕事で大変だったことは何ですか?」
という質問です。

例えば、
「忙しい時期が大変でした」
という回答だった場合、
「そのとき、どんなことが大変だったんですか?」
「ご自身ではどのように対応しましたか?」
「周囲にはどんな相談をしましたか?」
と、具体的な場面まで聞いてみます。
すると、「大変だった」という事実だけではなく、大変な状況に置かれたとき、どう考えて、どう行動する人なのかが見えてきます。

誰かに相談する人なのか。
自分で工夫する人なのか。
まず状況を整理する人なのか。
あるいは、周囲に助けを求めることが苦手なのか。

もちろん、どれが正解ということではありません。
大切なのは、その人の考え方や行動特性が、自院で求めている働き方と合っているかを確認することです。

「チームで働くときに意識していることは?」
美容クリニックでは、受付、看護師、カウンセラー、医師など、複数の職種が連携して患者様を支えています。
そのため、
「チームで仕事をするときに意識していることはありますか?」
という質問も、その人の仕事に対する考え方を知るきっかけになります。

例えば、
「周りとコミュニケーションを取ることを大切にしています」
という回答があれば、
「具体的には、どんな場面で意識しましたか?」
と聞いてみる。

すると、単なる自己PRだった言葉が、実際の経験に変わります。
「私はこういう人です」という説明より、「実際にこうしました」という話のほうが、その人の仕事ぶりをイメージしやすくなります。

「入社したら、どんなことをしたいですか?」
「美容医療を学びたいです」
「患者様に寄り添える仕事がしたいです」
こうした回答も、もちろん悪いものではありません。

ただ、それだけで終わらせず、
「具体的には、どんなことを学びたいですか?」
「そのために、どんなことをしていきたいですか?」
「これまでにも、何か自分から学んだ経験はありますか?」
などと聞いてみます。

「やりたい」という気持ちだけではなく、そこに具体的な行動があるか。
ここを見ることで、面接での印象とは違った一面が見えてくることがあります。

「正解を言える人」ではなく「具体的に話せる人」を見る
ここまで読んで、
「面接でそんなに深く聞いたら、候補者が答えに困ってしまうのでは?」
と思うかもしれません。

もちろん、尋問のように質問を重ねる必要はありません。
大切なのは、候補者を追い込むことではなく、その人自身の言葉を引き出すことです。

そしてもう一つ。
面接では、「正しい答え」を言える人を探しすぎないことも重要です。

今は面接対策の情報も多く、
「転職理由はこう答えましょう」
「長所はこう伝えましょう」
「面接官にはこうアピールしましょう」
といった情報を簡単に調べることができます。

そのため、整った回答だけでは、その人の実際の仕事ぶりまでは分からないことがあります。
だからこそ、
「それは具体的にどういうことですか?」
と、一歩だけ深く聞いてみる。
抽象的な言葉を具体的な経験や行動に置き換えてもらうことで、その人らしさや仕事への向き合い方が見えやすくなります。

採用基準を「自院で活躍できる人」の言葉に変える

面接での見極めを考えるとき、実は面接当日だけではなく、その前の準備も重要です。

それは、
「自院では、どんな人に働いてほしいのか」を言葉にしておくこと。
です。

「いい人が欲しい」
「感じのいい人がいい」
「主体性のある人がいい」
だけでは、面接官によってイメージが変わってしまいます。

例えば「明るい人」を求めるのであれば、
「患者様に安心してもらえるよう、自分から声をかけられる人」
なのかもしれません。

「主体性のある人」であれば、
「指示を待つだけでなく、状況を見て必要なことを考えられる人」
なのかもしれません。

「協調性のある人」であれば、
「自分の仕事だけでなく、周囲の状況を見ながら連携できる人」
なのかもしれません。

このように、抽象的な人物像を、実際の行動に置き換えることが大切です。

「どんな人が欲しいか」だけでなく「どんな行動を期待するか」
例えば、受付スタッフを採用するとします。
「接遇力の高い人」
という条件だけでは、少し曖昧です。

そこで、
・ 患者様の表情や様子を見ながら声をかけられる
・ 困っている患者様を放置せず、必要な人につなげられる
・ 忙しいときでも周囲と情報共有ができる
・ 分からないことをそのままにせず確認できる
など、実際の仕事で期待する行動に変えてみます。

すると面接でも、
「これまで、患者様が困っていることに気づいて対応した経験はありますか?」
「忙しいときに、周囲とどのように連携していましたか?」
など、具体的な質問ができるようになります。

採用基準が具体的になるほど、面接で確認するポイントも具体的になります。

面接官によって「良い人」が違っていませんか?
もう一つ、クリニックの採用で起こりやすいのが、面接官によって評価基準が違うという問題です。

院長は、「感じがよかったから採用したい」と思っている。
一方で、現場のリーダーは、「経験があるから即戦力になりそう」と考えている。
人事担当者は、「コミュニケーション力が高そう」と感じている。

もちろん、それぞれの視点を持つこと自体は悪いことではありません。
ただ、それぞれが別々の基準で判断していると、採用の方向性がぶれてしまいます。

だからこそ、
・ 必須となる経験・スキル
・ 患者様への接遇
・ チームで働く力
・ 自分で考えて行動する力
・ 自院の価値観との相性
など、何を重視するのかを事前に共有しておくことが大切です。

採用後に、
「思っていた人と違った」
となるのを防ぐためには、採用する側も「なんとなく」で判断しないこと。
「なぜ、この人を採用したのか」を説明できる状態にしておくことも、採用の仕組みづくりの一つです。

まとめ|「感じがいい」から、入社後の活躍まで見据えた採用へ

「感じがいい人」は、もちろん魅力的です。
美容クリニックでは、患者様に与える印象も大切だからこそ、面接で感じた第一印象を無視する必要はありません。

ただし、
「感じがいい」=「自院で活躍できる」
ではありません。

美容クリニックの採用で見るべきなのは、面接での印象だけではなく、
・ どんな経験をしてきたのか
・ その経験をどう捉えているのか
・ 困ったときにどう行動するのか
・ 周囲とどう仕事をするのか
・ 入社後にどんな働き方をしたいのか
といった、その人の考え方や行動まで含めた部分です。

そのためには、候補者の回答を聞いて終わりにするのではなく、
「具体的には?」
「そのとき、どうしましたか?」
「なぜそう考えたのですか?」
と、一歩だけ深く聞いてみる。

そして、そもそも自院が求める人物像を、
「明るい人」
「主体性がある人」
「協調性がある人」
という抽象的な言葉だけで終わらせず、
「実際にどんな行動をしてほしいのか」
まで落とし込んでおく。
そうすることで、面接は「感じのいい人を選ぶ場」から、「自院でどんな働き方をしてくれそうかを確認する場」へと変わっていきます。

採用は、入社してから始まるものではありません。
「どんな人と一緒に働きたいのか」
「その人にどんな働き方をしてほしいのか」
を考えるところから、すでに組織づくりは始まっています。

株式会社Liberate Beautyでは、美容クリニックの現場を知るからこそ見えてくる採用・人事の課題に対して、採用支援だけでなく、評価制度や教育、組織づくりまで幅広くサポートしています。

「面接では良さそうだったのに、入社後のミスマッチが多い」
「面接官によって採用基準が違う」
「どんな人を採用すればいいのか、院内で共通認識がない」
「採用しても、なかなか定着しない」

そんなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
現場の実情を踏まえながら、採用から入社後の定着まで、クリニックに合った仕組みづくりを一緒に考えていきます。

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