その1on1、講演会になっていませんか?|スタッフの「本音を聞く」面談のつくり方

「1on1を始めたけれど、何を話せばいいかわからない」
「スタッフのために時間を取っているのに、結局こちらが話して終わってしまう」
「1on1をしているけれど、業務報告や目標確認の時間になっている」

美容クリニックで1on1を導入しているものの、うまく機能していないと感じている院長・マネージャーは少なくありません。
本来、1on1は上司がスタッフに何かを伝えるためだけの時間ではありません。
スタッフが今どんな状態なのかを知り、何を感じているのかを理解するための時間です。

しかし、実際の1on1では、
「最近どう?」
「特に問題ありません」
「今月はこの目標を頑張ってください」
「次回までに○○をお願いします」
といった会話だけで終わってしまうことがあります。

これでは、1on1というより「業務確認」や「上司からの指示」の時間です。

さらに、院長が熱心であればあるほど、
「クリニックとしてはこうしたい」
「あなたにはこうなってほしい」
「今後はこういうことを頑張ってほしい」
と、つい多くを伝えたくなります。

その結果、気がつけば「スタッフのための1on1」が、院長の講演会になっているという逆転現象が起こります。
大切なのは、1on1の時間を「何を話すか」ではなく、「何を聞くか」から考えることです。

本記事では、美容クリニックの1on1を、単なる業務報告や目標確認の場ではなく、スタッフの本音や変化を把握し、組織改善につなげるための「聞く場」にするための考え方を解説します。

目次

1. 「スタッフが話す時間」になっていますか?
2. 「何か困っていますか?」だけでは、本音は出てこない
3. 聞いた「本音」を、組織改善につなげる

「スタッフが話す時間」になっていますか?

1on1を実施しているクリニックで、まず見直してほしいのが「話している割合」です。

例えば、「最近どうですか?」「何か困っていることはありますか?」と聞いたものの、「特にありません」と返ってきたら、そこで話が終わってしまう。
その後、「では、今月は○○を頑張ってください」「次回までに○○をお願いします」と上司側が話して終了。
これでは、スタッフの状態を知ることはできません。

もちろん、業務上必要な確認や目標設定も1on1には含まれます。
ただし、「伝えること」が中心になりすぎると、スタッフは次第に1on1を「上司から何かを言われる時間」だと認識するようになります。

そうなると、
「余計なことを言わないほうがいい」
「何か問題があると思われたくない」
「話しても結局変わらない」
という心理が生まれ、本音が出てこなくなります。

特に院長とスタッフの距離が近いクリニックでは、この傾向に注意が必要です。
院長は「何でも話してほしい」と思っていても、スタッフ側からすると、「院長に直接言うのは少し緊張する」ということもあります。

だからこそ、1on1では「何かありませんか?」と聞くだけではなく、スタッフが話しやすい問いかけを意識する必要があります。

「何か困っていますか?」だけでは、本音は出てこない

スタッフの本音を聞きたいと思ったとき、質問の仕方は非常に重要です。

例えば、「何か困っていることはありますか?」という質問。
一見、良い質問に思えますが、これだけでは「特にありません」で終わりやすいものです。
そこで、少し視点を変えてみます。

業務について聞くなら
「最近、仕事をしていて少しやりづらいと感じることはありますか?」
「もう少しこうだったら仕事がしやすいのに、と思うことはありますか?」

やりがいについて聞くなら
「最近、仕事をしていて嬉しかったことはありましたか?」
「最近、自分が成長したと感じたことはありますか?」

人間関係について聞くなら
「チームの中で、少し気になっていることはありますか?」
「スタッフ同士のコミュニケーションで、何か気になることはありますか?」

キャリアについて聞くなら
「今後、やってみたい仕事はありますか?」
「今の仕事を続ける中で、もっと身につけたいことはありますか?」

このように、「問題があるか」だけではなく、「どう感じているか」「どうなったらいいと思うか」を聞くことがポイントです。
そして、スタッフが話しているときに、すぐに解決策を提示しないことも重要です。

スタッフが、「最近ちょっと忙しくて……」と話したとき、
「それは人手不足だから仕方ない」
「みんな忙しいからね」
「じゃあ効率化しましょう」
と、すぐに結論を出してしまう。
これでは、スタッフは「話を聞いてもらった」というより、「処理された」と感じてしまいます。

まずは、
「そう感じていたんですね」
「もう少し詳しく聞いてもいいですか?」
「それはいつ頃から感じていますか?」
と、話を深掘りする。

解決する前に、理解する。
これが1on1における「聞く」ということです。

聞いた「本音」を、組織改善につなげる

ただし、1on1は「スタッフの話を聞いて終わり」でもありません。
ここが、1on1を単なるコミュニケーションの時間で終わらせないために重要なポイントです。

スタッフから出てきた声には、クリニックの組織課題を見つけるヒントが含まれています。
例えば、「新人教育で困っている」という声が複数のスタッフから出てくるのであれば、個人の問題ではなく、新人教育の仕組みそのものに課題があるのかもしれません。

「頑張っているけれど、何を評価されているのかわからない」という声があれば、評価制度や評価基準の透明性を見直す必要があるかもしれません。
「将来どうなればいいのかわからない」という声があれば、キャリアパスや役割設計に課題がある可能性があります。
「院長には相談しづらい」という声があれば、コミュニケーションの仕組みやリーダー・マネージャーの役割を見直す必要があるかもしれません。

つまり、1on1で聞いたことは、
・ 教育
・ 評価
・ 配置
・ マネジメント
・ 職場環境
・ キャリア
・ リーダー育成
など、さまざまな人事課題を見直すための情報になります。

そして、もう一つ大切なのが、「聞いた後のフィードバック」です。
例えば、スタッフから、「新人教育の進め方をもう少し統一してほしい」という意見が出たとします。
その後、実際に教育フローを見直したのであれば、「前回の1on1で話してくれた新人教育の件、仕組みを見直しました」と伝える。
これだけでも、スタッフの受け止め方は大きく変わります。

「言っても何も変わらない」ではなく、「話したことが、組織を変えるきっかけになった」という経験になるからです。
1on1は、そこで聞いた話を次の施策につなげて初めて、組織にとって意味のある仕組みになります。

まとめ|1on1の目的は「話すこと」ではなく「理解すること」

1on1を導入したからといって、スタッフとのコミュニケーションが自動的に良くなるわけではありません。
大切なのは、1on1を「上司が話す時間」ではなく、スタッフの状態を理解するための時間として設計することです。

業務上の問題だけではなく、
「最近どう感じているのか」
「何にやりがいを感じているのか」
「何に困っているのか」
「これからどうなりたいのか」
こうした情報は、普段の業務だけを見ていてはなかなか見えてきません。
だからこそ、定期的に立ち止まって、スタッフの話を聞く時間が必要です。

そして、そこで聞いた声を教育・評価・キャリア・マネジメントなどの改善につなげていく。

聞く → 理解する → 改善する → 変化を伝える。

このサイクルが回り始めると、1on1は単なる「面談」ではなく、クリニックの人事機能を動かす重要な仕組みになります。
1on1の目的は、スタッフを管理することではありません。

スタッフを理解し、より良い組織をつくるための情報を得ること。
そして、院長やマネージャーがスタッフの話を聞こうとすること自体が、人事の第一歩なのではないでしょうか。

Liberate Beautyでは、1on1の導入だけではなく、面談で何を確認するのか、どのように記録・共有するのか、そこで得たスタッフの声を評価・育成・組織改善にどうつなげるのかまで、クリニックの状況に合わせた人事の仕組みづくりを支援しています。

「1on1を始めたけれど、うまく機能していない」
「スタッフが本音を話してくれない」
「面談をしても、組織改善につながらない」

そんな場合は、まず現在の1on1が「話す場」になっているのか、「聞く場」になっているのかを見直してみてはいかがでしょうか。

公式 Instagram:https://www.instagram.com/liberate___beauty/

<お問い合わせ先>
株式会社Liberate Beauty
ホームページ:https://liberatebeauty.co.jp/

学ぶ人は、美しい。オンラインセミナー毎月開催中